過去に申立てをした個人再生について,小規模個人再生であり,かつ,ハードシップ免責を受けていない場合,自己破産の申立てを行い,免責決定を受けることに法的な問題はありません。
まず,個人再生には,小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類がありますが,実務上,ほぼ小規模個人再生での申立てが行われておりますので,小規模個人再生であるという条件は満たすものと思われます。
次に,ハードシップ免責とは,個人再生手続認可後,支払いがある程度進んだが,支払継続できないような事情が生じた場合,免責の申立てを認めるという制度です。
その条件として,
1 責めに帰することができない事情で再生計画履行が極めて困難になったこと
2 再生計画の各債権について,4分の3以上の返済が終了していること
3 免責決定が債権者の一般的利益に反するものでないこと
4 再生計画の変更をすることが極めて困難であること
が挙げられます。
このうち,客観的に明確なのが,4分の3以上の返済になりますので,条件を満たすようであれば,ハードシップ免責の申立てを検討する余地がありますが,全然,そのような状態ではないという場合,別途,自己破産申立てを検討された方がよいかもしれません。